住宅を建築されるお客様の中には大きく分けて3世代の年代に分かれます。
一つ目は結婚と同時に住まいを検討される20代から30代前半のお客様、
二つ目は子育てをされている30代後半から40代のお客様、
三つ目は60歳以上の、定年退職を機に住宅建築を考えられるお客様です。
3世代のお客様それぞれで、営業のやり方、喜ばれるアプローチの仕方が違います。
20代のお客様と、60代のお客様に同じアプローチをした場合、
どちらかに拒絶される可能性が高まるので注意しましょう。
まず、一つ目の若いお客様の場合、気を付けなければいけないのが、
極力訪問をしないことです。現在20代のお客様は、60代のお客様と違い、
突然家に訪問されることに慣れていません。商談中の宿題を良かれと思い
当日の夜に自宅に伺い、インターフォンを鳴らして家に入れてもらう等、
極力避けた方が良いでしょう、若い世代のお客様の場合、資料をポストに投函し、
電話かメールでお届けした旨のみお伝えし、次回の打合せ時に詳しくご説明させていただきますと
付け加えましょう。また、20代でお子様が居られないご夫婦の場合、
夜間の仕事終わりでも商談アポが取れる可能性が高いので、土日の日中はお子様のおられる
お客様を優先し、夜間の商談の伺いを立ててみましょう。
夜間の商談は、状況によっては長い商談、深夜に差し掛かることも多く、
お客様からも「こんな時間まで打合せをしてもらって申し訳ない」と思っていただける方も
いらっしゃるので、深夜まで商談をしていると、ある種の一体感が生まれ、競合対策にも
有効になりますので、積極的に伺いをたてましょう。
次に子育て中の30代、40代のお客様の対応方法ですが、
若い世代のお客様と同じく、アポ無しの訪問は極力避けた方が無難です。
20代のお客様ほど、世代的に突然の訪問への嫌悪感はありませんが、
インターホンを鳴らすことにより、「せっかく赤ちゃんが寝たところなのに」とか、
子育てにより奥様・ご主人様の機嫌が良くないことも多い世代です。
また、自分のこと以外でやる事が一番多い時期なので、電話は繋がりにくく、
メーカー選定段階では電話の折り返しも面倒に感じられることが多い時期ですので、
できる限りメールやSMSで要件を伝え、都合がいいタイミングでの返信をお願いするように
しましょう。また、子育て中の世代のお客様は、休日の日中のアポイントになることが
多いので、夕方以降や勤務日夜間のアポイントの伺いは、理由がない限りはやらない方が
無難です。あと一つ、この世代のお客様と商談を行う際には、時期に関わらず、
「空調が暑い、寒いは無いですか?」「あればすぐ言ってください」と、
商談の序盤でお伺いしましょう、赤ちゃんを抱っこした状態のお客様は、
赤ちゃんの体温と、抱っこしている状態なので暑くなります。
自分のこと以外のことで忙しい世代の方に、極力快適に打合せを行ってもらえるように、
意識して商談を行うことで、他社との差別にもつながります。
最後に退職前後で計画をされる60代のお客様への対応ですが、
この世代のお客様は、令和の今でも「昭和」の感覚をお持ちの方が多く
(筆者もバリバリの昭和世代です)
突然の訪問や、定期的にお顔を見せに行っても嫌悪感を持たれることが少ないです。
むしろ性能や金額で比較するよりも、来てくれる人に頼みたい、
こんなに通ってもらったのに断るのが申し訳ないと思われる方が、
若い世代の方よりも多い世代です。もし、すぐには動かないが、長期的に建替や住替を
考えているという年配のお客様が居られたら、若い世代の方よりも優先して突然訪問を
行ってみてください。また、営業さんの年代にもよりますが、こういった年配のお客様が、
自分よりも20歳以上年上の場合、可愛さを全面に出し、とにかく話を聞いてください。
お客様からすると、ご自身の息子や娘と同世代の人が頑張っている姿をみると、
応援したくなる気持ちになりますし、私自身も息子と被って断れなかったと言われたことが
多々あります。こういう面で可愛がってもらえるお客様は、ご建築後も良い関係が築けるので、
たくさんの方に親御さんになってもらうつもりで、仕事をすると良いと思います。
大きく分けて3つの世代に対するアプローチの仕方をお伝えしましたが、
もちろん当てはまらない、60代のお客様が訪問を嫌がられたり、
20代のお客様でも訪問して欲しい方もおられます。
大事なことは、上記の大枠のイメージを持ったまま、
このお客様はどういう対応を望まれているのか、訪問されたいのか、
されたくないのか、電話とメールどちらが良いのか、常に考えながら
アプローチを行ってください。