住宅営業として大切なこと⑬          満足度100%の商談ではなく           満足度120%の商談の準備をする

私が若手だったころの厳しいめの上司に言われていた言葉があります。

それは「御用聞営業をしてるんじゃない!」という言葉です。

若い方は御用聞と聞いてもピンとこないかもしれませんのでご説明

御用聞: 商店などで、得意先の用事などを聞いて回ること。また、その人。

注文を聞いてくる、そして希望を聞いたらその商品をもってお届けする。

立派なお仕事ではありますが、住宅営業がそれではダメだという意味です。

〇お客様が言われた希望をそのまま入れ込んだ間取りをご提案する

〇お客様が言われた希望そのままの土地情報を紹介する

〇お客様が言われた予算をそのまま実現しようと提案する

もちろん希望を聞いてくれたのですから、成約になることもあるかもしれませんが、

当時の上司からは「お客様は悪く言えば家づくりの素人、若手とは言えお前はプロだ、

要望をそのまま入れ込んで100%の提案をするのではなく、手を加えて120%の

提案にしなさい」とよく言われていました。ただ、当時はどうやって120%にするかが

よく分かっておらず、Aを希望されているけどBの方が良いと思うのでBの提案をしよう。

ぐらいの感覚でお客様に気に入ってもらえず失注するケースも多々ありました。

これを失注せずにどうやったら120%の提案になるかをお伝えします。

ますは間取りの提案から説明します。120%提案にするためには、

〇要望を全て満たした100%の提案+

全ての要望は満たしていないが、プロとしてこちらの方が良いと思うものを

2パターン準備し、なぜこの提案をするのかをしっかりご説明します。

こうすることで、要望はすでに満たされているので、お客様の評価が下がることは

ありません。どちらのプランになってもあくまでも提案プランなので、

100%を下回ることはありませんし、2つ目の提案パターンを気に入ってもらった場合、

120%提案になります。120%の提案になるかどうかは出してみるまで分かりませんが、

何組かのお客様に同じように提案していると、3組のお客様のうち1組ぐらいは、

よりスムーズに商談が進むはずです。

もう一つ例を出します。土地をすでにお持ちのお客様の中で、

一定割合おられるのが、現況が田んぼや畑の農地というパターンです。

建築予定地が農地の場合、状況にもよりますが、建築基準法や農地法の面では

建築が可能であっても、ライフラインの引き込みや高低差による造成費等、

思っていた以上に費用がかかることがあります。

どうしてもその場所に建てないといけない場合は良いのですが、

そんなにお金が掛かるんなら、他の場所で建築しても良いと言われることもあり、

建築地を確認した後の商談時に、周辺の土地情報と相場の資料を準備し、

間取りのご提案時にどちらで進められますか、と確認するようにしています。

営業的には既に提案も作っているし、土地が変われば2度手間です。しかも

土地から買うとなると更に悩みが増えるので、決定までの時間が長くなる可能性もあります。

それも承知で同時に提案を行うことで、100%の提案が120%の提案と感じて

いただけるのです。

これをやらない営業マンの多いこと多いこと…

提案資料作成時間は2倍かかりますし、手間かもしれませんが、

2倍の時間で4社競合を制することができればこんなに効率的なことはありません。

ぜひやってみてください。

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