家を建てるには土地が必要です。
土地をすでに所有されている方や、実家横にスペースがあり、
そこに建築される方、親族が土地をもっている方等、土地を所有されている方以外は
土地を購入し、そこに住宅を建築することになります。
感覚的には何らかの土地を既にお持ちのお客様と、土地も購入する予定のお客様、
比率でいくと3:7ぐらいでしょうか、もしかしたら2:8ぐらいかもしれません。
それぐらい、住宅を欲しいと思っている方の中で土地も購入される方が多いです。
そんな土地を購入される予定のお客様に、土地情報をご紹介するのも住宅営業の仕事です。
まず、お客様は住宅販売会社(ハウスメーカーや工務店)に見学に行くと、
各社の営業から土地を紹介しますという流れになります。
また、お客様自身でスーモやアイフルホームズ、ヤフー不動産などで、ご自身でも
土地の情報を勉強され始めます。ここで初めにお客様がぶつかる壁が2つあり、
①ネットで見る土地情報が、条件に合う良い土地なのかどうか、全く判断がつかない
②住宅販売会社はまず自社の分譲地や、提携地を勧めてくる(良く見せてくる)
①の問題はこれだけインターネット全盛の時代でも、ホームページを見るだけでは良し悪しは
全くわかりません。自分で確認しに行くか、誰かに確認しに行ってもらうか、どちらかが
必要になります。②の問題はある程度販売会社を回ることで自社土地が無い会社(自社で
分譲地をもっていないので、勧めないといけない土地が無い)に当たれば、それ以外の
土地情報を紹介してもらえます。
お客様が辿るルートの中でどうやったら営業として他社と差別化できるかを考えていきます。
まずは①に対応するため、普段から仲介土地(建築条件のついてない、一般的な売土地)の
情報を集めるだけではなく、ポータルサイトや不動産業者ホームページで閲覧できる土地の
現地写真や近隣状況を実際に行ってみて確認しておきましょう。そうすれば、なぜこの土地が
売れていないのか、高いからなのか、周辺環境が悪いのか、道が狭いのか、
行くことでしか分からないことをしっかり確認できます。
そうすると商談の際にその土地の話が出ても、そこはこうゆう理由で止めておいた方が良いですと
その場でお伝えできます。これだけでも営業能力として他社比較になりますし、
土地を実際に見に行けば感じていただけると思いますが、10件の物件があれば、
1件から2件は悪くない物件に当たります。誰もが飛びつく土地条件ではないが、
一定のお客様には当てはまる、こんな土地情報を4件~5件持っていれば、
商談のスピードが速くでき、お客様も無駄に土地を見に行って、
落胆をするという無意味な時間を過ごさなくても済みます。
悪くない土地情報を4件~5件持っておこうと思えば、50件ぐらい土地を
現地に見に行かなくてはなりません。通常業務と並行して行うと結構骨が折れますが、
これだけでも十分競合対策になります。また、②の自社の持ち土地をすすめてくる件ですが、
これは誰もがやりがちなのですが、自社分譲地や自社管理地を売りたいばっかりに、
他の土地情報の紹介が疎かになり、他社が勧めてくる他の土地で結局決まってしまい、
土俵にも乗らずに負けてしまうというケースがかなりあります。
もちろん自社土地に仲介土地を圧倒する良さがあれば、希望されるお客様だけ商談を
進めればいいのですが、このご時世なかなか条件の良い土地を安く仕入れることが
難しくなっています。自社土地を勧める前に仲介土地をすすめ、他社としっかり戦う
姿勢で臨み、プラスアルファの感覚で「こんなんもありますけど」ぐらいのテンションで
自社土地を勧めた方が、意外と決定率は高いです。
お客様はごり押しされると距離を取りたくなります。良いことばかりを言われると
疑いたくなります。それが人間心理です。
実際に土地を見に行く時のポイントをいくつか挙げておきます。
※基本的な建築基準法は全国統一ですが、エリア(県や市町村、大型の分譲地であれば管理組合)
によって守らないといけない条例があります。役所にある建築課や設計部門に確認してください。
〇道路の広さは何メートルあるか(4m道路より道幅が狭ければ行き違いができません)
〇土地の形状は4角形に近いか、台形や極端に長細くないか
〇道路に接している面は何mあるか
〇上水道・下水道は既に引き込まれているか
〇隣地境界との間に高いブロックが無いか(6段以上:120センチ以上)
〇上空に電線や電話線は通っていないか
〇電柱は敷地内にあるか、無ければ電柱を建てなくても電気の引き込みができるか
〇隣地の家の雰囲気は悪くないか(お隣さんになる人をお客様は必ず気にします)
〇道路面や隣地からの高低差は無いか(あれば造成が必要かどうか)
〇周辺にお墓や火葬場、臭気に影響する工場等はないか
書いていけばきりが無いですが、全て土地決定をするために、お客様が納得しないと
すすまない要素です。当然お客様によっては、生活スタイルによって気になれるポイントが
あり、個別に伺って条件に合う土地を探すことになります。
よくある例として、お仕事が医療関係で夜勤がある方であれば隣が公園というのはNGに
なることが多いですし、共働きで町内会にも入りやすい新しい団地を希望される方に
とっては、どれだけ利便性が良くても、周りの家がすべて築50年以上のような旧市街地は
NGになります。
お客様それぞれでベストな土地は異なりますので、経験がものをいう部分もありますが、
土地情報をたくさん見て、少なくともこの土地は止めておいた方が良い、
なぜこの土地は売れていないかという説明ができるようになっておけば、
信頼も増しますし、逆に良い土地を強く推せるようになります。
とにかく実際に売り土地を見行きましょう。