今回から初回接客のやり方について、お客様の状況に応じた具体的なやり方を
書いていこうと思います。
まず皆さんが一番接する機会の多い土地を購入して住宅を建築される方への接客のやり方です。
前提として自社商品の商品アピールや、案内現場の特徴や質感をご説明した後の話で、
どのようにヒアリングをしていくかが重要になります。
建物を案内するだけでは、対応しているお客様の状況や希望が全くわかりません。
予算や希望もわからず、住宅ローンもどれぐらいの金額の融資が通るのかわからない状態では、
何を勧めていいかわかりません。特に土地から購入されるお客様に関しては、
当然土地代金が必要になるので、住宅購入にかかる総額が大きくなります。
建物費用だけで建築が可能な土地を所有されている方よりも、よりヒアリングが
大切となります。では具体的に何を聞けばいいのかですが、
お客様が気に入る提案をするために必要な事を聞かなければいけません。
大きく分けて3つあります。
①お客様の希望を聞く
→どのエリアで建築したいのか?
→どれぐらいの土地の広さが必要で、どれぐらいの大きさの建物が欲しいのか?
→なぜそのエリアで建築がしたいのか?
お客様のご希望を伺うことで、お客様が望んでいる事や、イメージを共有できます。
なぜそのエリアで建築したいのかを伺うことで、状況によって他のエリアでの提案も出来るのか、
希望のエリアでないと絶対にダメなのかか判断できます。例えば、既に小学校にご子息が
通われていて、校区は絶対に変えられない等の理由であれば、他の提案はできませんし、
職場に近いからとか、ご実家が近いからといった理由であれば良い土地があれば他のエリアの
提案も受け入れられるかもしれません。
②伺った希望を叶えた場合の資金面での確認
→自己資金はどれぐらいご用意があるか
→住宅ローンでどれぐらい融資を受けられるかを判断するためのご勤務状況の確認
この資金面の確認が一つの壁だと感じられる方が多いと思います。
聞き方を間違えると、お客様から見定められているなと感じられ、
印象が悪くなる可能性があるからです。若手社員の方は多分聞きにくいですよね。
特に最近の住宅業界では自己資金が総額の1割~2割出される方の方が稀で、
実質融資がどこまで通るかみたいな話になることが多く、
実際私が絡んでいるお客様もほとんどが自己資金100万円~多くても300万円ぐらいの
ご計画がほとんどです。(土地から買われる若い方の計画の場合)
聞きにくいですが、聞かなければ一生懸命土地を探して気に入ってもらえても、
融資が通らずダメでしたという事になりかねません。
融資が通らないのに希望を聞くままオーバースペックの提案をしてしまい、
最終的に間取りは気に入ったけど、もっと安い工務店で建てますともなりかねません。
ここで上手な年収の聞き方や自己資金の金額の引き出し方を伝授します。
一番簡単にお客様の年収を聞き出すためには、お客様が見定められていると
感じないように聞き出すやり方です。
2025年の現在の状況では、まだ住宅ローン控除の話が通用します。
(来年度からはわかりませんが)
〇年収を聞き出す方法
→お客様に住宅ローン控除の制度をご存じかどうか聞く
ほとんどのお客様は制度自体を詳しくご存じ無い方が多いです
→ご自身がこの制度を使われた場合にどれぐらい効果があるかお伝えできますと言う
→ちなみに、、、ざっくりした金額で結構ですので、年末に会社からもらう年末調整の書類の
一番上に書いてある、一番大きい数字がご年収なのですが、何となく覚えておられますか?と聞く
実践上この聞き方で9割方の方が教えてくれます。大事なのはご年収を聞いた後に、
「一般的には〇〇様のご年収であれば年間〇〇万円は効果があります」と、
少し少な目で良いので(多く言うと後でしんどいことになる可能性があるので)、
その場で伝えてあげる事です。これがすぐに答えられないと、
お客様からするとただ単に年収を知りたかっただけなんだと思われます。
正確な金額はシュミレーションが出来ますのでと伝え、次回アポに繋げてもいいでしょう。
また、この話の延長線上で
ちなみに、、、住宅購入でこれぐらいだったら頭金で出しても良いかなと思っておられる
金額ってありますか?少な目で言っていただいて結構です。最近は全額住宅ローンで
賄われる方も多いので、それも可能ですがいかがでしょうか?と聞いてみてください。
こう言うと十中八九本音で答えてくれます。あまり自己資金がなければオールローンで
という回答があります。
ここまでの①・②のご質問に答えていただいていれば、大筋でどれぐらいの費用がかかり、
どれぐらいのローンが利用できるかが見えてきます。言い方が悪いですが、
あなたが追うべきお客様なのか、追っても成約に繋がる可能性が低いのか、この判断が
しやすくなる状態まで来ています。
この段階で希望が資金面で良い提案が出来ると判断した場合は、
このまま提案の次回アポを取ってください。
逆に希望と予算がマッチしない場合、もしくは希望のエリアに土地を見つけるのが
難しいと判断した場合は、更に次の③の質問をしてみてください。
③出来る限りご希望が叶うご提案をさせていただきたいのですが、
全てのご要望を入れ込んでご計画をされる方は稀で、皆様土地のエリアや
土地や建物の規模、ご予算面等、優先順位をつけていただき、ご希望に近づけて
いく形でご提案をさせていただいております。全てのご要望が叶わないかもしれませんが、
○○様にとって一番良いご計画になるようにご提案させていただきますので、
次回○○様への資料を作成しますので、ご覧いただくお時間をいただけないでしょうか?
この形で次回アポをとって、要望に合わない部分はあるが、合っている部分が多い
提案(代替の提案)を行ってください。これを繰り返せるお客様は、
お会いする回数も増えますし、これだけやってもらったのに断るのは悪いという
感情も持っていただけるので成約に繋がる可能性が高いです。
逆に、代替案を気に入っていただけないお客様や、①②の回答段階で
資金的に難しいお客様を無理に追う必要はありません。
私個人としてはこのやり方で商談2回でしっかり追うか、追わないかを判断します。
理由は出来るだけご建築いただくお客様のみに時間を最大限使いたいからです。
成約に繋がらない可能性の高いお客様を追うことで契約済みのお客様のフォロー業務や、
オーナー様に対する対応するスピードが落ちては、本末転倒だと考えるからです。
これは効率という考え方とは違います。時間をかけるべくところに、
一番注力して時間を注ぐことが、お客様からしても、雇い主である会社からしても、
そして担当営業であるあなたにも、一番三方良しの考え方が当てはまると思います。
次回は土地をお持ちのお客様に対する接客の仕方を具体的にご説明いたします。
