先回土地を購入するお客様向けの初回接客の方法をお伝えしましたが、
土地をお持ちのお客様と接客がどう違うのでしょうか。
同じように接客をしている営業の方は特に参考にしてください。
土地をお持ちのお客様の対応をする回数は、土地を買われるお客様の対応をする回数の
何分の一ぐらいの割合でしょうか、実際に建替の計画や、持ち土地に建築する
純粋なお客様だけでいくと2割も無いと思います。(リフォーム等除くと)
そうです、そもそも接客回数自体が土地無しのお客様に比べて少ないので、
どう対応していいか分からないという営業の方も多いと思います。
では土地をお持ちのお客様に対して、どのように接客するかを具体的に説明します。
要点は2点で、常に頭にこれを入れておけば大丈夫です。
①土地無しのお客様に比べて、業者決定要素が少ない
→家を気に入る もしくは 担当営業を気に入る のどちらかが無いと商談テーブルに乗らない
土地をお持ちのお客様は、土地を紹介したり、土地で決定したりする必要が無い為、
決定要因は予算が合ったうえでの話になりますが、家の性能やコンセプトか担当営業が
気に入るか、どちらかの要因が無いと商談が進まず、アポが取れません。
もちろん時期の問題はあると思いますので、全てとは言いませんが、他社がプラン提案等、
商談を行っているのに、自社はアポが取れない状況があれば、それは気に入られていない
可能性が高いです。逆に言えば、建物の性能やコンセプトを気に入ってもらう、
もしくは自分自身を気に入ってもらえれば、希望予算にさえ合えば、成約までいける
可能性は高いという事になります。土地無しのお客様に比べて、建物にお金をかけられる分、
高額のメーカーでも勝機がありますし、高齢の方の建替計画等では、競合無しで決めて
いただけることがあるのが土地有りのお客様の特徴です。
②ヒアリングよりお客様が話したい事を聞くことに重きを置く
→予算や年収を初回で聞いたりしない
土地無しのお客様に対しては、言葉は悪いですが、追えるお客様と追えないお客様を
限られた商談回数で判断する必要があると説明しましたが、土地有りのお客様に
同じことをすると、見定められていると思われる確率が高くなります。
お客様の心理はこうです。
「土地は持っているし、もちろん資金面は大事だけど、そればっかり気にされると
上から話をされているようで気分が悪いな、このメーカーはやめよう」
土地無しのお客様よりも年齢層が高いことも起因します。
(建替計画は50代から60代のお客様が多い為)
当然土地から購入する20代、30代のお客様と同じ対応をすれば、
喜ばれることは少ないです。やもすればお客様の息子、娘の世代の
営業担当者に資金の心配をされたら気分が言い訳がありません。
◎土地をお持ちのお客様の資金面の確認は二の次です。
上司に怒られようが、結局資金が足りなくて断られようが、
土地無しのお客様よりも圧倒的に数が少ないので、
大勢に影響はありません。まずは自分自身を気に入ってもらうよう、
そして自社の商品を気に入ってもらうように心がけましょう。
土地有のお客様に対しては、小手先の営業話法で攻めるのではなく、
年齢にもよりますが、とにかく可愛げを出して気に入ってもらうようにしましょう。
「同世代の息子や娘のように思えて。。。」とか言ってもらえたら最高です。
では具体的にどうやれば気に入ってもらえるのか、
これも大きく3点要点をお伝えします。
①とにかくお客様が話したい話を聞く姿勢で臨む
→お客様の人生経験や雑談等、何でもしっかり聞いてください。
お客様に興味がありますというアピールをするぐらいで良いと思います。
ここでは家の話はしなくてもいいです。むしろ家の話は30分で終わるのに、
お客様と雑談をしていたら2時間経っていたイメージです。
内容は何でも構いません。お客様がご自身の話を少しでもされたら、
そこから広げて下さい。例えば。。。
「昔はここに住んでいてね」と言われたら、
→「そこで働かれていたのですか?」「そちらにお住まいだったのはなぜですか?」
「息子が○○で働いていてね」と言われたら、
→「どんなお仕事をされているんですか?」「ご兄弟さんは何人居られますか?」
みたいな感じで、お客様自身に起因することで、答えやすい質問を投げかけることで、
お客様との親近感が増し、距離が近くなります。
お客様からすると、この担当者は私のことを分かってくれているという意識になるので、
これを続けることでお客様の中のあなたの印象を強くすることができます。
②会う回数を増やす
→20代、30代の土地から購入されるお客様は、世代的なものもあると思いますが、
コロナがあってから自宅に来られるのを嫌がるお客様の比率が増えた気がします。
土地をお持ちのお客様も当然同じ考えの方もいるとおもうのですが、
特にある程度年齢を重ねられている50代以降のお客様は、訪問されることを
嫌がられない方も多いです。例えば、次回商談時に提示すればいいような資料も、
あえて商談翌日や翌々日ぐらいに持って行ってみてください。
一度怪訝な顔をされたり、迷惑そうだと感じれば止めればいいので、
一度はやってみてください。若い営業担当者がわざわざ自宅に持ってきてくれた、
なんて熱心な担当者だと思われる可能性の方が高いです。
私も実体験として、そんなに重要ではない資料をあえて自宅に持っていき、
コーヒーを頂きながら雑談をする。それを続けるとなんだか身内みたいな感覚を
もっていただけるのです。これはアパートにお住いの若いお客様とは違うポイントかと
思います。
③会話の中で絶対に否定をしない
→お客様が言われた内容や希望で、間違っていたり止めた方が良いことも、
「それはダメですよ」とか、「それは止めましょう」と言ってはいけません。
必ず「それも良いと思いますが、こちらも良いと思います」と、柔らかく代案を
すすめるようにしましょう。あなたより高齢のお客様であれば尚更ですが、
あなたより若いお客様の場合も、土地をお持ちのお客様の場合は徹底してください。
なぜならば、他のメーカーでも同じ待遇をお客様が受けている可能性が高いからです。
土地をお持ちのお客様の対応は土地を探されているお客様の対応よりも難しいかもしれませんが、
その分やり方を間違えなければ、土地を探さなければいけない、土地で他社に決められてしまう
可能性が無い分、成約できる確率は高いです。
