住宅営業として大切なこと㉒ 次回アポの取り方

初回面談や展示場での初回案内時に皆さんはどうやって次の約束を取り付けていますか?

若い営業社員の方が最初につまずくポイントとして「次回アポ取得」ではないでしょうか。

今回は次回アポの取り方をパターン別にご紹介します。

パターン①展示場や見学会に来られた方で計画(明確)があるお客様のケース

こちらが一番次回アポを取得しやすいお客様です。

家を建てたい、そして建てるためにはどうしたらいいかを相談しに来られている為、

やらないといけない事が明確です。このパターンのお客様であれば、

営業さんとの相性や、初回面談時に落とされない限り次回アポは取得できます。

建てる計画が明確(建てたいと思っている)なので、土地があったり建替のケースでは

「一度間取りをご提案させていただきます」とか、「現地確認をさせていただきたので、

隣地との境界部分を教えていただくために立会をお願いします」とか、

「住宅ローンの事はいずれやらないといけないので、事前審査をしておきましょう」とか、

住宅を建築するために「必要」な事でアポを取れる可能性が高いです。

逆に言えばあなた以外の他社も、次回アポが取りやすい状態にあるので、

取りこぼさないようにしっかりと次に繋げましょう。このパターンのお客様は、

当然他社もスピード感を持って対応してくるので、若手の営業の方の場合は、

次回約束時に先輩や上司に同席を頼む方が無難です。他社の百戦錬磨の営業担当者が、

しっかりと商談を進めた場合、経験の無さで失注してしまうのもこのパターンが

一番多くなります。

パターン②見に来ただけだからと話しをすすめようとしないお客様の場合

来店や来場をされるお客様の中で一番多いパターンがこのケースです。

普通に案内をすれば8割~9割はこのパターンに当てはまります。

ただ、わざわざ展示場や、見学会に休みの時間を割いて来られるということは、

潜在的に住宅が必要なお客様の可能性が高く、計画が先でアポが取れないという理由で

ないがしろにしていると、パターン①のお客様だけで成績を上げなければならず、

非常に苦労します。ただでさえパターン①のお客様は数が少なく、かつ他社とも

複数競合する可能性が高い為、このパターン②のお客様を商談にのせる事はとても重要で、

安定して数字をあげるトップセールスと言われる営業の方はここが上手だと思います。

もちろん話をすすめようとしていないお客様の興味を引く必要があるので、

簡単ではありませんが、8割~9割の方の中で、2割~3割の方の次回アポが取れれば、

成約できる可能性があるお客様の数はパターン①の何倍にもなります。

方法① なぜ今計画しないのかの理由を探す→解決の為のアポ取得

今計画しない理由はお客様それぞれで違いますが、理由として多いのは下記の3つです。

〇いずれ建てようと思うが急いでいない(急ぐ理由がない)

→急ぐ理由がないと思っている方には、急いだらこんなメリットがありますよと伝えましょう。

賃貸に住んでいるというだけで急ぐメリットの宝庫です。毎月家賃を数万円から数十万円

家主さんに納めている、アパートオーナーからすると何ともありがたい状態である事を

伝えましょう。家賃をどれだけ払っても、いずれ建てるであろう自分の家の費用は減りません。

減るのは家賃を払うために出ていく施主様のお金です。生涯賃貸に住む覚悟の方はそれでも

良いと思います。長生きしなければ結果的にその方が負担が少なくなる可能性もあります。

しかし、一般的に平均寿命まで生きると考えた場合に、賃貸の方が得になることは考えにくく、

年齢が上がれば上がるほど、入居できる物件の幅が狭まることを考えても、持家を持った方が

得になることが多いです。

〇ご夫婦のどちらかが家を建てるのが怖い(ローンを組むことが怖い)

奥様は一戸建てに早く住みたいけど、ご主人が進めようとしない、

多額の住宅ローンを組むことに恐怖を覚えている方のパターンです。

この場合は多額の住宅ローンを組むことは確かにリスクかもしれませんと、

ご主人様に共感したうえで、「家を建てなかった時のリスク」を説明しましょう。

例えば「向こう5年以内ぐらいで建てようかな~」とか、結婚を渋っている彼氏みたいな

事を言い出すご主人様には、上記の5年間に支払う家賃の総額をお伝えし、

更に「向こう5年の間に病気になって生命保険が使えなくなるかもしれませんね、

家を建てていれば万が一何かあってもご家族の生活は守られますが、賃貸の場合は

そうはいきません」、そして追い打ちをかけるように、5年後に建築するということは

同じ期間のローンを組むとローンが終わるのが5年遅くなりますね」と言ってみてください。

ここで注意してほしいのは、上記の様なマイナスな話をする際に、

脅かすような言い方や、セールストークのように受け取られないように、

感じの悪い言い回しは絶対にしないでください。ただ単に嫌われて終わります。(笑)

大事なのは「このような事を考えていったときに、〇〇様がより良い未来を迎えるために、

最善のご提案をさせていただきたいので、こんな言いにくい事をあえて言っているのですよ、

あなたの為に!」という思いで伝えるようにしてください。

うまく伝われば、「具体的に家賃の計算や、今計画した場合と数年後に計画した場合の

シュミレーション、保険の重要性等の資料を作るので、聞くだけ聞いてみて下さい。

当社の売り込みや、家の押し売りはしませんので」といえば、次回アポは取りやすいです。

〇建てたいが今は建てられない(実家に戻るかも…転勤があるかも…)

経験上転勤がある場合で話が進む可能性があるのは下記のポイントが揃わないと難しいです。

・現在の赴任地がご夫婦どちらかの実家や地元等、地縁がある場所である事

・地縁は無いがそれなりに長い期間居住しており、ご子息が1年以内ぐらいで小学校に入学される

全国転勤型の会社にお勤めの場合、家賃補助が大きいので家を建てるメリットが薄まります。

上記2点のポイントに当てはまらない場合は深追いするのは止めた方が無難です。

もうひとつの「ゆくゆく実家に戻らないといけない」というパターンは高確率で

いつかは計画されます。なぜならば、ゆくゆく実家に戻らないといけないと思いながら

戻らずに賃貸に住んでいる。→戻りたくないからです。

多いのはご主人がご長男様、そして複合して住宅ローンを組むことに恐怖を感じている、

もしくは実家に戻りさえすれば、高額な住宅を買わなくても済むんじゃね?

という淡い期待を持たれている方が多くおられます。このタイプのご主人様は、

・ゆくゆく実家に戻るときには必要なリフォームの参考に

・家を建てたい奥様をなだめる意味でも見学会には来られる

という大義名分があるため、かなり長期的な計画でも来店される傾向があります。

いい感じで案内や面談が出来ても、「実家の両親とも相談して進めるか検討します」

と言い残して帰られます。その結果9割以上の方が、

「奥様と両親との意見がまだ合わないので、一旦中断します」と回答されます。

それはそうですよね、同居に反対が無ければ賃貸に入る意味がありません。

とりあえず賃貸に入って…と言われる方がほとんどだった20年前と違い、

今は賃貸に入るのがもったいないと、ご結婚前から計画される方も多数おられます。

こんな状況で商談が進まないお客様には、想定していない未来になった場合のリスクを

伝えてみて下さい。

→ゆくゆくはと言っていたのが、ご両親と奥様の意向が合わず、結局15年、20年、25年と

時間だけが過ぎていった。家賃も月々数万円の積み重ねも20年ともなれば2000万円~

3000万円と膨らんでいきます。

→時間の経過とともに実家も痛み、補修費や大規模リフォームで2000万円~3000万円の負

担に。→払った家賃も含めれば十分新築できたのにという話になります。

満足度の低い賃貸住宅に何十年も住み、やっと戻った実家はその時築50年を迎えている。

こんな話は結構あります。その時になって、ご両親様から言われる言葉が

「無理に戻って来なくても良かったのに…」なんて言葉であれば誰も幸せになりません。

こんな話をしてみて、「今ならば〇〇様はどちらの方向性(未来)も選べます!

聞きにくい話もあるかもしれませんが、奥様の為に一度ご両親様と将来について

お話いただけませんか?」と聞いてみましょう。この時大事なのは、

できれば同居を避けたい奥様を味方につける事です。奥様が強くそう願わないと、

この話は絶対に進みません。なぜならば、そもそもご主人が家を建てることに

意識が薄いからです。奥様が「家賃はもったいない」「賃貸よりも持家に住みたい」

「そんな損をする未来は嫌だ」と思ってもらえれば商談が進む可能性が高いです。

住宅営業とは他の業種に無いぐらい多種多様なお客様の事情を察して、

最適な提案をするという難しい側面があります。しかし、多種多様で、

同じやり方や決まったやり方で成功することが難しい世界なので、

自分の考えた提案をお客様に評価いただけたときのやりがいも格別な物があります。

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