商談中に自社商品の説明をする際に、無意識にこんなことを言っていませんか?
「当社の商品はこの部分が他社さんより優れています」
当然出る言葉だと思います。ではその説明をするときに、
具体的にどの会社のどの商品と比較して、こう優れていますと
言い切れる営業の方はどれぐらいいるでしょうか。
ここで言いたいのは、他社を誹謗中傷することではなく、
客観的に見たときに、おおやけに公表されているデータ(他社カタログやホームページ等)
と自社商品を比較したときに、どの部分がどれぐらい違うと説明できるかというポイントです。
これを説明する側が分かっていないと、お客様が受け取る感覚は、
「なんとなくすごいことだけは理解できた」になります。
そして後の競合他社の商談時には競合他社のことを「すごい」と思います。
「なんとなく」では、記憶に残らないのです。
特に大手の住宅メーカーは、他社批判を行ってはいけないという風潮で新入社員を育てる
傾向が強く、他社の詳細を知らなくても、競合にどれだけ負けても、
「他社批判をしてはいけないから、他社の勉強はそんなにしなくてもいい」
そんな先輩社員や上司の下に長いことついてしまうと、競合に弱い営業マンの出来上がりです。
誤解のないようにしたいのですが、あくまで「批判」ではなく、客観的な「比較」を
営業側がお客様に対して行わないと、お客様も何を比較していいかわかりません。
例えば耐震性に自信があれば、自社が行っている実験データや性能のデータを説明するだけでなく、
同じように他社が行っているデータと何が違うのかを、ご説明することで差別化になります。
お客様が何社も比較されているのであれば、全ての競合会社をリサーチし、お客様が調べるであろう
ことを先回りして調べたうえで、自社にとって有利にはたらくような「説明の仕方」を準備します。
「リサーチ」というと難しく感じるかもしれませんが、お客様が見られるであろう他社のホームページ
や、手に入るのであればカタログ等で十分です。公表している部分だけを、比較すれば構いません。
また、公表しているということは、その部分に対して自信がある「おすすめポイント」のはずなので、
もしかすると説明すると自社の方が不利に働くこともあると思います。
その時は、競合他社が公表していないポイント(自信が無いから載せたくない)ポイントを
探してください。そして公表していないポイントから、自社がもっている強みがあればそこを
強く推してみてください。実際にお客様に直接他社に聞いてもらっても構いません。
そして他社が強いポイントから目を背けず、実際にこう説明してください。
「その部分は他社さんが優位かもしれませんが、この部分は当社の方が優位性があります」
他社を認めながら自社をすすめる、自社が弱い部分をごまかさず、強みの部分を推して
勝負する、そうすれば「なんとなく営業」から脱却でき、刺さるお客様には刺さり、
連敗が少なくなるはずです。繰り返しになりますが、営業成績は確率論に近いところがあり、
成績のいい営業マンは打率が良い(対応出来るお客様は少ないが、成約数は安定している)か、
打席数が多い(入ってくるお客様の数が多く、多数を切り捨てても契約出来そうな案件のみ勝負する)
かのどちらかです。打席数を多くできる人は限られているので、打率を伸ばすための一歩だと
思ってください。実践していただければ、今までより次回アポ取得率も上がるはずです。