「営業たるもの出会う全てのお客様に対して選ばれる仕事をしなければいけない」
「競合他社に負けたらいけない、全て勝つつもりでやらないといけない」
こんな風に思っていませんか?かくゆう私も、若い頃は競合他社に負けると悔しいですし、
会社からも怒られるし、負けていい事が一つもないと思っていたので、
難しい案件でも全力で時間を費やし、全力であたっていました。
もちろん意識は高い方がいいのですが、競合他社に全勝するなど、まず不可能です。
例えば3社競合だとした場合、あなた以外の他の2人の営業マンも当然全力で必死にきます。
お客様によって決め手は様々で、営業マンの質で選ばれる方もいれば、
営業マン個人よりも会社や土地を重視するお客様もいます。
そんな中でまず全勝すること自体が不可能なので、まず負けても良い状況であれば
負けても良いと思いながら接客した方が良いです。例えば、競合他社が持っている分譲地の近くで
土地を探されていて、土地負けしそうなパターンや、自社では予算を超えてしまうが、
他社では希望に収まる場合等、そもそもバックボーンが自分にとって不利な場合は、
必要以上に時間を掛けない方が得策です。負ける可能性が高いのに、自分の時間を削り、
オーナー様や関連業者様、不動産業者様を訪問する時間を削ってまで、
無理する必要はないのです。
ではそんなお客様の対応が必要な場合はどうしたらいいかですが、
まず、正式な見積や正式な図面を出す前に、自社に有利な部分が判断材料になるかどうかを、
お客様自身に問いかけます。例えば、
〇当社と他社様で比較した場合、当社の方が保証内容が充実しているので、金額が他社様よりも
500万円は高くなりますが、それでもご検討いただけそうでしょうか?
〇当社と他社様で比較した場合、当社の方が断熱材が優れているので、金額が他社様よりも
500万円は高くなりますが、それでもご検討いただけますでしょうか?
〇他社様と同額で10坪大きい間取りをご提案できますが、会社規模や保証内容等は他社様が有利です。
お客様の重視する部分はご希望の間取りでしょうか、それとも保証や会社規模でしょうか?
というように、商談が深くなる前にある程度こういった前段階でのご了解がいただければ、
進めてもいいと思います。一種のテストクロージングで、それでも競合した場合に、
「商談前に当社の方が金額が高くなるという前提でお話はさせていただいてましたよね」とか、
「間取りの希望が最優先と言われていましたよね」という話ができる状態になります。
逆にお客様の意向で「高いのならやめておく」
「保証が長い会社ですすめる」と断っていただいたらいいのです。
そうすれば一生懸命間取りを作ったり、一生懸命積算(見積)をしなければならない時間が
無くなります。決まらない契約の準備に時間を費やすほど、無駄な事はありません。
とはいえ、ほとんどのお客様が「比較しないと決められない」と言われることでしょう。
私個人的には、追うお客様と追わないお客様の判断は下記のポイントでしています。
◎追うお客様
〇金額のベースが似た会社で比較しようとしている
〇2~3社の中で決めようとしている
✕追わないお客様
〇5社や10社と話しをしている
〇2~3社で比較しようとしているが特徴も金額もバラバラ
※こちらが提示する提案やペース、自社の土俵に乗ってもらえそうにない