住宅営業として大切なこと⑭          名簿(新規顧客情報)の取り方を考える

住宅を販売する会社に入社した皆さんや、これから入社を考えている方は、

能力や技術があれば営業成績が上がり、良く売れる営業マンと、不振が続く営業マンは

能力の差があると思われている方が多いと思います。

半分正解ですが、能力や技術だけでは、トップ営業マンにはなれません。

エースと呼ばれるトップ営業マンは確かに業務をそつなくこなす能力や、

お客様との対人折衝能力に長けた方が多いと思いますが、その他に大きな要素があります。

それが「新規情報:お客様名簿」の取り方です。ひと昔前は、住宅展示場に来店されるお客様を

接客し、競合他社に打ち勝ちながら成約までもっていくというのが王道でした。

俗にいう展示場営業です。コロナが流行する前は、確かに展示場が多くのリソースでありました。

しかし現在は、インターネットでおおよその情報が取得でき、今までは展示場に行き、

実際にオーナー様の声を聞くためには営業マン主導で見学をするしかありませんでした。

しかし今は各メーカーで建てられた方が、ご自身のブログで満足度を公開することで、

実際に見に行かなくても判断材料が手に入るようになりました。

また、ユーチューバーという営業に代わる人がメーカーを紹介、比較し、

営業マンと話さなくても他社比較ができる世の中になりました。

結果展示場の来店数は各社大幅に減少し、今後も総合展示場(何社もの展示場集まる場所)

が増えていくということはないと思います。今までの住宅営業は、花形である展示場に配属され、

他の営業マンよりも多くのお客様を成約に繋げ、展示場の店長に昇格し…という道しるべが

ありましたが、現在は展示場に配属されても多くの営業マンは受注に苦労していると思います。

展示場以外で情報を得る必要があるのです。

それではどうやって新規情報を取得するのか、大きく分けて二つの方法があります。

①会社での信頼度、及び上司の評価を上げ、

会社に入ってくる情報を他の営業マンより多くもらえるようにする

会社に入ってくる情報とは、大手のメーカーであれば資料請求や会社HPからの来場予約等、

中小の工務店も含めると、関連会社さんや社員さんの紹介案件です。

案件を振れる権利を持つ人の評価をあげ、決まりやすい(決定率が高い)案件の

担当をすることで、数字を確保するやり方です。この方法はサラリーマンとして生きていくには

一番合理的、かつ昇進に近いと思います。なぜならば、営業マン自身の進退に一番関わる人、

直属の上司や決定権を持つ責任者に気に入られている事が大前提だからです。

決定率の高い案件ばかり担当できれば、一番無駄もなく、営業成績が上がっていきます。

この方法で必須なのは責任者から気に入られることです。

気に入られる為にしてもらいたいのは、

〇絶対にその人のいう事を否定しない

〇何を言われても基本ハイと答える

〇飲会や食事には誘われていなくても行く意思を見せる

〇その人の役に立つ業務をする(その人の業務補助等、事務処理能力の高さが必要)

俗にいうサラリーマン偏差値が高い方はこのやり方が一番近道です。

マイナス面を上げると、決まりやすい案件ばかり担当すると、競合案件や

難しい案件に当たった時に面白いぐらい成約になりません。

会社員としては上に行けるかもしれませんが、責任者が変わったり、

その人よりも優秀でサラリーマン偏差値が高い人が入ってくると、途端に立場が危なくなります。

②展示場や会社に入ってくる情報以外に、情報ルートを準備する

オーナー様のご紹介や、不動産業者様からのご紹介など、「あなた」でなければ

入ってこない情報ルートを整備することです。知り合いを紹介したいと思われるような

仕事をしていくことで可能になるやり方ですので、誰もがやりたいと思いながら、

なかなか上手くいかないことでもあります。そのうえで、ポイントをお伝えすると、

〇ご紹介を多くいただけるオーナー様は限られている

例えば素晴らしい営業マンと、そうではない営業マンがいるとします。

それぞれの営業マンのオーナー様が10人いるとして、

素晴らしい営業マンのオーナー様は10人全員からご紹介がもらえて、

そうではない営業マンのオーナー様は1人からしかご紹介がもらえない、

実際にはそんなことはありません。どんなに素晴らしい営業マンでも、

たくさんのご紹介を頂けるのは10人いれば1人か2人ぐらいです。

これはオーナー様の性格やタイプで、ご紹介を多数いただけるのはお客様に起因する

要素が多いと思います。当然紹介したいと思ってもらわなければいけないので、

素晴らしい営業マンは10%から20%しかいない貴重なご紹介をいただけるオーナー様を

しっかりフォローしますし、そうではない営業マンは10%のオーナー様からの

満足度が低いのでそもそも紹介が出ません。これが10人ではなく、100人だったら、

300人だったらと分母を広げていくことで差が大きくなります。

ここでお伝えしたいことは、ご紹介の多い素晴らしい営業マンも、紹介をいただける

10%から20%のオーナー様に向けてしっかりとフォローを行っているという点です。

業務の時間にも限りがあるため、例えば100人のオーナー様全員に同じようにフォローすると、

他の業務に時間が回らなくなってしまいます。100人ではなく、10人から20人のオーナー様

を重点的(定期訪問や定期連絡等)にフォローを行うことで、現実的に営業活動を成り立たせて

いるのです。

①の会社の情報をもらえるような動きができれば一番効率が良いと思います。

筆者はこれができませんでした。。。ただ良いこともあり、入ってくる情報が少ない為、

紹介をもらうか、成約率(確率)を上げるしかありませんでした。

その為、どうやって競合を排除するか、どうやって決めきれないお客様に決めてもらうか、

常にそのことを考えてやってきたおかげで、商談に対する自信がつくようになりました。

②の「あなた」じゃないと入らない情報元を確保する。これができれば将来の独立にも

役立ちます。お客様は「あなた」に信頼を置いているのですから、会社というバックボーン

が変わったり、独立した時にも、きっと味方をしてくれる存在になるでしょう。

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