住宅営業として大切なこと⑰良い土地 悪い土地の見分け方

お客様に土地をご紹介する際に皆さんはどんな土地をお勧めされますか?

勧める理由はどんな理由でしょうか、今回は、お客様によって違う希望エリア以外に、

どんな土地が良くて、どんな土地が悪いのかを解説していきます。

土地の良し悪しの判断ポイント①:割安か割高か

Aという地域があり、地域の平均的な坪単価相場が50万円だったとしましょう、

1坪あたり単価が50万円なので、仮に50坪であれば2500万円が相場となります。

その中でXという土地は50坪で2800万円、Yという土地は同じ50坪で

2000万円だったとします。価格だけを見るとYという土地の方が安く見えます。

ここでそれぞれの土地の条件を確認します。

Xという土地(50坪 2800万円)

〇上下水引込済

〇整形地(家を建てやすい、駐車場がとりやすい)

〇全面道路幅が6m(2台入違ができるゆとりのある道路で駐車もしやすい)

〇近隣は築10年以内前後の家が多く、隣地境界ポイントも明確

〇道路から敷地の奥側まで高低差がほとんど無し

〇上空線も無し(敷地内上空に電線や電話線・ネット回線のケーブルが通っていない)

〇地盤改良工事不要(地盤調査の結果、地中にも支持層がある)

☆まとめると建物を建てるために解決しないといけない問題が一つも無い土地です。

Yという土地(50坪 2000万円)

〇上水道・下水道の引込が必要(全面道路配管有)

〇全面道路幅が3m(車1台分)

〇台形の敷地

〇隣地境界ポイントが不明確

〇上空に隣地所有者が利用している電話線あり

〇建築には地盤改良工事が必要(地盤調査の結果、地下20mまで支持層無し)

☆まとめると建築をするまでに上記問題の解決を行わなければ、建築ができません。

一つ一つ費用を見ていくと、

・上下水引込 約200万円(本管までの距離により変動)

・隣地境界ポイントの境界確定費用 約50万円

(ポイント数や隣地所有者の数により費用変動)

・上空線の移設費 0円(上空線所有者負担)~30万円(架線移設に伴う柱新設)

・敷地が道路よりも高く、駐車スペースを確保する造成工事費 約300万円

・地盤改良工事費 約300万円

土地代以外に約800万円以上かかる可能性があります。

土地代金2000万円と建築に必要な諸費用800万円を合わせると、

2800万円になります。

こうなると、道も広くて家も建てやすい敷地で2800万円、

前の道も狭くて家が建てにくい台形の敷地で2800万円、

どちらが割安で、どちらが割高に感じるでしょうか。

恐らくXという土地は、多少相場よりも高くても、条件面からすると割安に

感じられるので、そう時間を要さずに売れてしまいます。逆に、Yという土地は

値段から興味を示す人はいるものの、実際の物件を見たり、具体的に話を進めていくに

あたり、上記の様な費用が発生することが分かり、結果売れないということになる

可能性が高いです。上記の様な極端な違いがある土地が同時に出ていることは少ないですが、

売れていない土地には上記のような費用のかかるマイナス面や、道路の問題が必ずあります。

インターネットで出ている土地情報で、長期間売れていない土地を見るとご理解いただけると

思います。

土地の値段を決めるのは売主(土地の持ち主)と不動産業者さんです。

売主さんはもちろん、不動産業者さんも、土地や建物を売買するプロではありますが、

住宅用地でも住宅を建てるために必要な経費が分かる不動産屋さんばかりでは無いことや、

高く売りたい売主さんにとって、マイナスになる必要な経費を正直に伝えてしまうと、

取引を任せてもらえない(他の不動産屋に行かれてしまう)可能性があるので、

あくまでも相場感から離れすぎない金額で話をしてしまう部分があります。

感覚ですが、上記の様なマイナスポイントがあったとしても、価格に反映しやすい部分、

売主さんに理解を得やすい部分としては全面道路の広さぐらいかと思います。

一見高く見えても割安である土地や、一見安く見えても割高な土地、

この判断をしっかりお客様に伝えることで、土地選定も任せてもらえる、

競合他社に差をつけるポイントの一つです。因みに地盤改良が必要かどうか、

費用が大きくなるかどうかは、対象エリアに詳しい設計担当者や、

ベテランの先輩営業に聞いてみてください。○○市○○町ぐらいの住所があれば、

概ね必要か不要かはすぐ答えてくれると思います。

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